読みもの: バズるまでのストーリー
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1. 投稿(ポスト)— 起点をつくる
コンテンツが 投稿 されると、すぐに初期ウインドウで反応速度が観測されます。短時間に「いいね/RT/クリック/リプライ」が集まると、USS(User Signal Service)へ強い信号として蓄積され、次段の候補生成に有利に働きます。
初動で「誰が」反応するかも重要です。近縁のフォロワーからの反応は In‑Network 社会的証拠 として効き目が強くなりがちです。
2. 初期反応(USS蓄積)— 反応の“質と速さ”
USS はユーザー行動を統一形式で集約します。ここでは「量」だけでなく「速さ」「多様性」「関係性(RealGraph/SimClusters)」が効き、Earlybird(検索)、UTEG、CR‑Mixer、FRS へ信号が流入します。
3. 候補生成(Candidate Generation)— In/Outの両輪
Earlybird は主に In‑Network、UTEG は相互作用グラフを辿ることで Out‑of‑Network を広げ、CR‑Mixer が混合と軽ランクを行います。FRS はフォロー推薦経由の候補を注入します。
4. 特徴量水和(Feature Hydration)— 文脈を“盛る”
ランキングに必要な ~6000 の特徴を取得します。Graph Feature Service のグラフ特徴、Representation Manager の埋め込み(SimClusters/TwHIN 等)、履歴ベースの統計などが例です。
5. ランキング(Light→Heavy)— 候補を絞る
Light Ranker が大まかに選別し、Heavy Ranker が本格スコアリングを実施。ユーザーの興味に合う順に整列されます。
6. ミキシング/制御(Home Mixer/Visibility)— 見せ方を整える
Home Mixer が広告やモジュールと混在させ、Visibility で法令・品質・安全の観点から表示処理(非表示/ラベル/ダウンランク)を適用。重複/既視/作者多様性/疲労 といったヒューリスティクスも処理します。
7. 配信(For You/通知/Explore)— 面に届ける
出来上がったリストが For You、通知(Pushservice)、Explore などへ配信。ここでの閲覧や二次反応が再び USS に戻り、循環が生まれます。
8. 波及(再循環・拡散)— ネットワークを伝う
反応がネットワークを伝播すると、コミュニティ(SimClusters)をまたいで話題が移動。Topic Social Proof によりトピック文脈も補強されます。
9. バズ確定(臨界)— 臨界点を超える
露出と反応速度が閾値を超えると、拡散が自己維持的に進む “臨界” に到達。シミュレーションでは光流入が最大化します。
上振れ/下振れの代表例
上振れ: 初動エンゲージの速さ、多様な反応種別、近縁からの社会的証拠、視聴維持(動画/長文)、トピック適合、新規性など。
下振れ: 重複/既読、作者連投による多様性不足、フィードバック疲労、低評価の蓄積、可視性ラベル(法令/安全)、外部リンクによる離脱(仮説)。
右パネル「到達倍率モデル(簡易)」で、これら要因を調整して露出感への影響を確認できます。
FAQ / よくある誤解
Q. Visibilityはランキングそのもの?
A. いいえ。Visibilityは“表示時の扱い”を決めるルールエンジンで、非表示/ラベル/インタースティシャル/ダウンランク等を指示します。順位付け自体はランカーで行われます。
Q. TimelineRankerは重ランクをする?
A. いいえ。検索スコア等を用いた軽い整形/トランケーションが中心で、Heavy RankはHome Mixer側のScoringパイプラインです。
Q. Out-of-Networkは何で作られる?
A. UTEG(協調フィルタ)、CR‑Mixer(混合/軽ランク)、FRS(将来フォロー見込みの著者由来)など。Earlybirdは主にIn‑Networkを担当します。
Q. 固定倍率でスコアを決めている?
A. いいえ。本番は学習モデル(多数の特徴)とオンライン制御の組み合わせです。本教材の倍率/寄与UIは直感学習用の玩具です。
学習の手引き / 読む順序の例
1) Home MixerのREADME→パイプライン全体像、2) USS/UUA→信号の実体、3) 候補生成(Earlybird/UTEG/CR‑Mixer/FRS)→入口の多様性、4) 特徴量(GFS/RepMgr/RSX)→“盛り付け”、5) Visibility→表示制御。